2011年 07月 10日
今日は友人の鼓の会を鑑賞して来ました。 なにしろ、めちゃめちゃ暑かったですからね。往復タクシーでしたよ。 家から近いので助かりました。 能楽堂の館内は、和服の方が多いので、すごい冷房の利きかたで、そこにいるのが少々はばかられるような後ろめたさが、少ーしだけありましたね。 演目は「鷺」というものでしたが、結構長い曲目で、舞いが入ります。 とにかく心が洗われるようなすばらしいものでした。 演目の説明は省略します。 友人の鼓の腕もさることながら、舞を舞われた能楽師である方を間近で見ながら、 「これって、何か昔読んだ本の中にあった。なんだっけ!なんだっけ!」と思い出しながら帰宅しました。 解りました。 「老木(おいき)の花―友枝喜久夫の能」です。 白洲正子が書いています。 白洲正子は、亡くなってからと言うもの、白洲次朗とともに一時ブームになっていました。(今も?)生い立ちと好き嫌いはともかく、少女時代からお能を習い、その世界にどっぷりと浸かり、能を知り尽くした人です。 民芸や芸術にも造詣が深く、遊び半分ではない本物の見識を持った人でした。 その白洲正子の文章の中で、確か、友枝喜久夫が演じた能は「江口」という遊女の話でしたが、 「友枝喜久夫がその時81歳で演じた「江口」は幽玄という言葉では表現しきれぬ至芸であった。その謡いは、水晶の玉のように透明で澄み切った音声。人間の肉声でなく他界から響く精霊のささやきのようであった。さらに、仕舞い、装束のまといかた、足はこびには幽玄という言葉で表しきれない新鮮な感動をおぼえる。」 つまり私が言いたいのは、動きすぎない美しさ。長年の精進の結果、削ぎ落とされた無駄の無い所作と内側から自然に生じる気品である。 今日の舞いは、実に枯れて品の良い格調の高いものでありました。 白洲正子は確か梅若六郎(二代)についても書いていましたが、 「舞台の上でただ立っているだけだったが、そこで自然に花が開いた。」 という感じの文章だったと思います。 それを読んだ時は、へえー!何のこと?と思っただけでしたが、それが「老木の花」のことだったのですね。今日は少しだけ解った気がしました。 たまにはいいですね。伝統芸能。
by fran0923
| 2011-07-10 22:18
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